中外製薬 血友病A治療薬エミシズマブ P3有効性確認

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は 中外製薬 血友病A治療薬エミシズマブ P3でインヒビター患者の有効性確認 17年申請予定 の記事と、血友病とバイスペシフィック抗体 についてお話ししたいと思います。
 

中外製薬は12月22日、血友病A治療薬として開発するエミシズマブ(開発コード「ACE910」)について、血液凝固第8因子に対するインヒビターを保有する12歳以上の患者対象の国際共同フェーズ3(HAVEN1試験)で、出血頻度の有意な減少が確認されたと発表した。2017年中に日本で承認申請する予定という。
インヒビターが発生すると、治療効果が弱まり、治療選択肢が限られる。同剤は、皮下注製剤で、インヒビター患者にも効果があるという特徴を持つ薬剤として開発が進められている。今回発表したHAVEN1試験では、血液凝固第8因子に対するインヒビターを保有する12歳以上の患者において、週1回投与した結果、主要評価項目である予防療法非投与群に対するエミシズマブ定期投与群での出血頻度の抑制が達成された。
治験ではほか、インヒビター保有の12歳未満患者、インヒビター非保有の12歳以上の患者のそれぞれを対象とした国際共同フェーズ3を、ロシュ社とジェネンテック社が共同で行っているという。

2016年12月26日 ミクスOnline から


中外製薬と言えば国内ナンバーワンのオンコロジーメーカーですが、独自の抗体技術を使って今度は血友病治療にパラダイムシフトを起こそうとしているようです。今日はこの興味深い記事について確認してみたいと思います。


【血友病】
まず、血友病についてですが、みなさまご存知の通り、先天的な血液凝固因子の一部の不足・欠乏により、出血時に止血に時間がかかる疾患で、関節内出血や筋肉内出血、頭蓋内出血など、患者さんの日常生活やQOLに大きな支障を来たします。
血液凝固第Ⅷ因子が不足・欠乏する血友病Aと第Ⅸ因子が不足・欠乏する血友病Bがあります。
血友病の治療は、血液凝固因子製剤を定期的に補充して出血を予防する「定期補充療法」が主体となっていますが、既存薬には大きく分けて2つの問題点があります。
1点目は「静脈注射のみであり、患者さんや家族の負担が大きい」こと、
2点目は「血液凝固因子製剤に対する中和抗体(インヒビター)が発現してしまうと効果がなくなる」こと、この2点です。

こうした問題を解決すべく、各社が新薬開発を加速させており、すでに3つの新薬が臨床試験入りしています。その中で最も開発が先行しているのが、中外製薬が創製し、スイス・ロシュと共同開発している、この抗ファクターⅨa/Ⅹバイスペシフィック抗体の「エミシズマブ」です。血液凝固第Ⅷ因子と同様に、第Ⅸa因子による第Ⅹ因子の活性化反応を促進し、血友病Aで先天的に欠損・機能異常を来たしている第Ⅷ因子の活性を補うことで出血を抑えます。


【バイスペシフィック抗体】
では、「バイスペシフィック抗体」とはどのようなものか確認してみましょう。
抗体が持っている2つの抗原結合部位が同一の抗原にしか結合しない「通常抗体」に対し、「バイスペシフィック抗体」は2種類の重鎖と2種類の軽鎖から成り、左右の抗原結合部位が異なる抗原と結合できる抗体です。
「バイスペシフィック抗体」は生産上の課題が多く、IgGの分子形としての遺伝子組換え型薬剤は創製されていませんでしたが、中外製薬は独自の抗体工学技術を駆使し工業生産化を可能とした結果、血友病Aに対する治療薬として期待できる「バイスペシフィック抗体」の創製を実現しました。
「バイスペシフィック抗体」の量産化にあたっては、目的の抗体を高い純度で精製することが非常に困難でしたが、中外製薬はこうした課題を「ART-Ig®」と名づけた独自の生産技術によって克服しました。
これは、(1)2種類の軽鎖を共通化することで重鎖、軽鎖の組み合わせの数を低減させる技術、(2)2種類の重鎖に電荷的差異を導入して目的の体子分子の精製を効率化する技術、(3)2種類の重鎖の電荷的相互作用を利用して目的の「バイスペシフィック抗体」を優先的に産生させる技術、という3つの技術が組み込まれています。
これらの技術の適用により、実績として2,500ℓ規模の製造プロセスで「通常抗体」と同レベルの産出量と純度を実現しています。

このバイスペシフィック抗体「エミシズマブ」は血友病Aのみをターゲットとしていますが、皮下注射が可能である、血液凝固因子製剤に対するインヒビターが発現しない、インヒビターの有無に関わらず効果が期待出来る、などの点から臨床医には大変期待されている新薬のようです。

その他、国内ではフェーズ1にノボノルディスクの抗TFPI(組織因子経路インヒビター)抗体「Concizumab」、海外では核酸医薬の雄、米アルナイラムのsiRNA
「Fitusiran」が来年フェーズ3に入る予定であり、2剤とも血友病AとB両方に使える一方、まだ開発段階であり未知数な部分も多いようです。しかし、成功すればいずれも既存薬の問題点を解決できる新薬のようですので大いに期待したいですね。


また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。


作成 藤川

予約制 夜間・休日 電話転職相談 「転職相談したいんだけど、なかなか時間が取れない…」そんなあなたをサポートします

無料会員登録受付中職務経歴書・レジュメの書き方や面接対策による転職サポート