ヤンセンの新規抗HIV薬プレジコビックス配合錠が薬価収載 12月7日予定

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は ヤンセンの新規抗HIV薬プレジコビックス配合錠が薬価収載 12月7日予定 の記事と、AIDSとHIV についてお話ししたいと思います。
 

厚労省の中医協・総会は11月30日、ヤンセンファーマの新規抗HIV薬プレジコビックス配合錠(ダルナビル エタノール付加物/コビシスタット)を薬価収載することを決めた。同省は12月7日収載予定。

▽プレジコビックス配合錠(ダルナビル エタノール付加物/コビシスタット、ヤンセンファーマ)
薬効分類:625 抗ウイルス剤(内用薬)
効能・効果:「HIV感染症」
薬価:1錠 2002.80円
市場予測(ピーク時9年後):投与患者数3.4千人、販売金額25億円
加算なし

処方日数の制限は設けない。プロテアーゼ阻害薬のダルナビル800mgと、CYP3A阻害作用によりダルナビルの血中濃度を増加させる(ブースター)コビシスタット150mgを含有する配合薬。従来はダルナビル(製品名:プリジスタ)とブースターであるリトナビル、核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)の計3剤を1日1回服用する必要があったが、2剤配合の同剤の登場で、NRTIと合わせ計2剤を1日1回にすることができる。

2016年12月1日 ミクスOnline から


MRJobをご覧いただいている皆様の中にHIV専門MRの方はいらっしゃいますでしょうか?おそらくほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。私のつたない知識で知りうる限りでは、HIV領域のみの専門MRとしては、グラクソ・スミスクラインとファイザーが合同で作ったHIV専門会社「ヴィーヴヘルスケア」のMRの方々、HIV治療薬の中では非常に有名な「ツルバダ配合錠」をはじめとしたギリアド・サイエンシズや親会社の日本たばこ産業の抗HIV薬を取り扱っている鳥居薬品のMRの方々、今回の記事にある「プレジコビックス配合錠」を本日発売するヤンセンファーマの方々、抗HIV薬の中では「プロテアーゼ阻害薬」というカテゴリーに位置付けられ一世を風靡した「カレトラ配合錠」をもっているアッヴィのMRの方々といったとこころでしょうか。
それも、ヴィーヴヘルスケアのMRの方々以外はおそらく各社数人からせいぜい10数人の規模ではないかと推察します。
ですので、一般的にはほとんど知られていない領域と思います。
そこで今回は、HIV領域およびHIV治療薬の概略についてお話したいと思います。


【AIDSとHIV】
 1981年、ニューヨークでカポジ肉腫、ロサンゼルスでカリニ肺炎にかかった同性愛の男性が立て続けに現れたことが、AIDSという病気を人類が認識した最初の出来事です。通常の免疫系であれば、ほとんどこれらの腫瘍細胞や菌を排除できるはずなのですが、これらの男性は、いずれも免疫系が極めて弱っており、悪性で重症な症状を呈しており、医学界は何らかの免疫系を弱める病気が同性愛者の集団に広がっていると考えました。1982年、この病気は「AIDS : Aquired Immune Deficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)と命名されます。そして、この病気の原因となるものが発見されたのが、翌年1983年で、その正体こそ後に「HIV:Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)」と呼ばれることになるウィルスでした。

このHIVが免疫系の細胞であるT細胞やマクロファージに侵入免疫系を破壊していくことにより、通常ではかからないような感染症や腫瘍などにいとも簡単にかかってしまい最終的に死に至ってしまうという恐ろしい病気だということがわかった当時、世界中が言いようのない不安と恐怖におののいたものでした。ベテランのMRの方々の中には当時の世界的な大騒動を記憶されている方もいらっしゃることと思います。当時はAIDSに対する治療薬もなく、まさに「死の病気」でした。

しかし、今は違います。AIDSはもはや「死の病気」ではなく、根治療法こそ見つかっていませんが、その後の抗HIV薬の開発により、今や糖尿病と同じく「コントロール可能な病気」になりました。ここで抗HIV薬開発の歴史について詳細にお話している余裕はありませんが、ここでは現在使われている主な抗HIV薬について簡単に見てみましょう。

抗HIV薬を知るために、まずHIVの増殖サイクルについて確認してみたいと思います。
HIVは生体内に入ると、まずCD4リンパ球のCCR5/CD4受容体と呼ばれる受容体に結合し融合することにより、リンパ球内への侵入を図ります。(ステップ1)
HIVはRNAウィルスです。そのため、リンパ球侵入後、自身が細胞質内に持ち込んだ逆転写酵素を使ってDNAに変換(逆転写)します。(ステップ2)
次いで、同様に自身が持ち込んだインテグラーゼと呼ばれる酵素により、細胞核の中で宿主細胞のDNAに組み込まれることによりHIV感染が完了します。(ステップ3)
その後、HIV遺伝子は盛んに転写され、産生されたウィルスタンパクはHIVのプロテアーゼという酵素によって適当な大きさに切断されます。(ステップ4)
そして最終的に新たなHIVが完成し細胞外へ放出され、別のリンパ球に対し同じことを何回も何回も繰り返して増殖していくわけなのです。


抗HIV薬は、このHIVの増殖サイクルの主な4つのステップを抑えることにより、HIVの増殖を抑える薬であり、下記のような代表的なものがあります。

○ステップ1を抑える薬⇒侵入阻止薬【シーエルセントリ(マラビロク)】
○ステップ2を抑える薬⇒逆転写酵素阻害薬【核酸系と非核酸系に分かれます。
核酸系:ツルバダ(テノホビル/エムトリシタビン)、非核酸系:インテレンス(エトラビリン)・エジュラント(リルビビリン)】

○ステップ3を抑える薬⇒インテグラーゼ阻害薬【アイセントレス(ラルテグラビル)、デビケイ(ドルテグラビル)】
○ステップ4を抑える薬⇒プロテアーゼ阻害薬【カレトラ(ロピナビル/リトナビル)、プリジスタ(ダルナビル)】

その他、抗HIV薬の効果を高めるためのブースター製剤と言われるものがあり、カレトラに配合されているリトナビル(単独の製品名としてはノービア)などはその代表です。
今までヤンセンファーマのプリジスタ(ダルナビル)は、このリトナビルを併用する必要がありましたが、独自のブースター製剤「コビシスタット」と配合した「プレジコビックス配合錠」を発売し、服薬が簡単になったというのが今回の記事の内容です。
患者さんにとっては朗報ですね。


また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。


作成 藤川

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