米リリーのAD薬、軽度に絞ったP3試験を中止 主要項目未達で

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は 米リリーのAD薬、軽度に絞ったP3試験を中止 主要項目未達で の記事と、AD治療の抗Aβ抗体 についてお話ししたいと思います。


米イーライリリーは24日までに、アルツハイマー病(AD)治療薬として開発中のモノクローナル抗体ソラネズマブについて、軽度AD患者に対象を絞った国際共同臨床第3相(P3)試験「EXPEDITION3」を中止すると発表した。認知機能低下についてプラセボ投与群との比較で統計学的に有意な進行抑制が認められず、主要評価項目を達成できなかったためで、軽度ADでの承認申請は断念する予定。
同剤を巡っては、先行して実施していた軽度・中等度のAD患者を対象とした国際共同P3試験「EXPEDITION1」「EXPEDITION2」で主要評価項目を達成できなかったことが、2012年8月に発表されている。この2つの試験結果のみで米国で承認申請を行うのは難しいとして、米リリーは同年12月に追加試験として、軽度AD患者に絞ったEXPEDITION3を行うことを発表して進めてきたが、今回、中止することになった。
EXPEDITION3の詳細な試験結果は12月8日に、アルツハイマー病臨床試験会議(開催地=米カリフォルニア州サンディエゴ)で発表する。
今回の結果を受け、EXPEDITION、EXPEDITION2の被験者を対象に行っていた非盲検継続投与試験も中止する方針。
このほかにも、▽軽度ADよりも病勢進行が前段階の軽度認知障害の患者を対象にした「EXPEDITION-PRO試験」▽さらに前段階でほとんど症状が見られないが病態生理学的変化の見られる患者を対象にした「無症候性ADに対する抗アミロイド療法A4試験」▽遺伝的にADになったと見られる成人患者に対する「DIAN試験」―を実施しているが、これらの今後の対応は現時点では未定。

2016年11月24日 日刊薬業 から


アルツハイマー病の抗体医薬品開発が大苦戦しているようです。私個人的には、数年前にファイザーの「バピネウズマブ」が事実上の開発中止に追い込まれてから、このイーライリリーの「ソラネズマブ」の開発動向に関心を持っていましたが、今回の軽度ADでの開発中止というニュース。なかなか厳しそうです。今回は、改めてアルツハイマー病と抗体医薬品の開発状況について確認してみたいと思います。


【アルツハイマー病(Alzheimer’s Disease:AD)と抗Aβ抗体】
アルツハイマー病(以下ADと略)の概略についてはMRのみなさんよくご存知だと思いますので、ここではその原因と考えられている物質と、その物質に対する抗体の開発についてお話したいと思います。
ご存知の通り、現在のAD治療薬はいずれも認知症の症状の進行を抑える「症状改善薬」で、ADそのものの進行を食い止める根本的な治療薬ではありません。こうした課題を解決するため、現在、AD治療薬の開発においては、発症メカニズムに直接働きかけて、病理的進行を抑える「疾患修飾薬」が主戦場となっています。


AD患者さんの脳内には、アミロイドベータタンパク(以下Aβと略)が集積した「老人班」や、タウタンパクが過剰にリン酸化し、蓄積した「神経原線維変化」などの病理変化が見られ、このことからAβやタウがAD発症を左右する原因物質ではないかという仮説が立てられ、多くの研究が進められてきました。


そんな中、治療薬の開発の主流は、Aβをターゲットにしたパイプラインであり、特にAβを除去する抗体です。今回の記事にある「ソラネズマブ」もその抗Aβ抗体です。
Aβは認知症状が現れる10年以上前から徐々に蓄積されていき、その過程で神経細胞の変化が起こりタウの蓄積が始まる。それが進行すると、神経細胞が死滅して記憶障害などの認知症状が現れる。つまり、一連の流れの中で最初に出てくるのがAβであり、いわばカスケードの最上流のAβを叩くことで、進行を止めようという考え方なのです。


抗Aβ抗体の作用機序としては、確定はしていませんが、①脳内のAβを血液中に引き抜く②直接Aβにくっついて凝集を阻害し除去する③脳内で免疫系を介してAβを除去する、という3つの仮説が示されています。副作用としては、「脳血管浮腫が多くの抗体で認められており、これを抑え込みつつ薬効を発現させること」が開発のポイントだといいます。


ところが、これがなかなかフェーズ3の壁を突破出来ないというのが現状のようで、現にファイザーの「バピネウズマブ」は数年前に有効性を示せず、事実上の開発中止に追い込まれてしまいました。現在国内のフェーズ3で残っている抗Aβ抗体はイーライリリーの「ソラネズマブ」と中外製薬の「ガンテネルマブ」くらいでしょうか。


「ガンテネルマブ」はアミロイド班に結合することで、脳内免疫担当細胞のミクログリア細胞によるアミロイド班の除去を促進すると言われています。
完全ヒト抗体なので、抗原性が低く、投与した際、同剤に対する抗体が出来にくいと考えられているそうです。海外ではスイス・ロシュが試験を実施中です。
さて、どうなるか?


お役にたちましたでしょうか。
また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。


作成 藤川

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