肺高血圧症治療薬アデムパス錠 17年1月からMSDが単独販売 PAH治療の問題点

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は 肺高血圧症治療薬アデムパス錠 17年1月からMSDが単独販売 情報提供活動はバイエル薬品 の記事と PAH治療の問題点 についてお話したいと思います。


バイエル薬品が製造販売している肺高血圧症治療薬アデムパス錠(一般名:リオシグアト)について、17年1月からMSDが単独販売すると、両社は11月24日に発表した。バイエル薬品は引き続き、製造販売元として製造、情報提供活動を行う。
 
両社が11月22日付で締結した業務提携契約によるもの。この契約は、2014年5月に米メルクと独バイエルグループによる、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)モジュレーター領域での世界的な共同開発・販売戦略の一環として実施されるもので、アデムパスもこの領域の薬剤として契約に含まれている。販売会社の変更については両社は「戦略上の理由によるもの」とだけ説明し、詳細は明らかにしていない。
 
アデムパスはバイエル薬品が2014年4月、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤という新しいクラスの経口肺高血圧症治療薬として発売、販売している。


2016年11月25日 ミクスOnline から


記事中にもありますように、MRの皆さんは既にPAH(肺動脈性肺高血圧症)についてはご存知かと思いますので、ここでは治療の問題点について耳学問としてご紹介いたします。


ヒトは「肺に取り込んだ酸素」を、心臓に一度戻して、さらに全身に送る必要があります。心臓から肺に血液を送るための血管を「肺動脈」といいます。この肺動脈の圧力(血圧)が異常に上昇するのが「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」です。肺動脈の圧力が上昇する理由は、肺の細い血管が異常に狭くなり、また硬くなるために、血液の流れが悪くなるからです。必要な酸素を体に送るためには、心臓から出る血液の量を一定以上に保つ必要があります。狭くて細い血管に無理に血液を流すように心臓が努力するために、肺動脈の圧力(血圧)が上昇します。 しかし、何故このような病気が起こるのかは解明されていません。この病気の原因解明が必要であり、有効な治療法の研究開発のため、「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」は「難治性呼吸器疾患(指定難病)」に認定されています。
この病気の最初の認定のためには、右心カテーテル検査を受ける必要があります。肺動脈平均圧が25 mmHg以上であり、さらに、肺血流シンチグラムという検査で、肺血栓塞栓症ではないことを確認する必要があります。この病気は難治性ですが、この病気であることの診断が付いた場合には、専門医により適切な治療(薬を服用)を受けることにより、体を動かす時の息苦しさが改善するなど、自覚症状の改善が得られる場合があります。


肺動脈性肺高血圧症の患者数は、「呼吸不全に関する調査研究班」による調査では、2,587名(2013年度)いるそうです。
そして、女性に患者さんが多く男性患者さんと比較するとその数は2倍以上いるそうです。女性は、加齢と共に発症数が増え、70歳代がピークになっているそうです。一方、男性の発症年齢の分布は、まずは20歳代が多く、40歳代までは減りますが、その後70歳代までにはまた増えるという二層性になっているそうです。


肺動脈性肺高血圧症の原因は、1) 特発性PAH(原因が全く不明)、2) 遺伝性PAH(BMPR2、ALK1、Endoglin、SMAD9、CAV1、KCNK3と呼ばれる遺伝子が病気の発症に関与していることまでは判明しているが、どのように関与しているのかは不明)、3) 薬物誘発性PAH(食欲抑制薬などの特殊な薬物の服用が発症に関与)、4) 膠原病に伴うPAH、5) HIV感染症に伴うPAH、6) 肝臓に関係する門脈圧の上昇に伴うPAH、7) 先天性心疾患に伴うPAH、8) 住血吸虫症に伴うPAHに分類されています。この分類で示したように、「肺動脈性肺高血圧症」といっても、実際には種々の病気が同時に存在しており、肺動脈性肺高血圧症という病気の発症に関係している場合があります。「特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)」は、原因に関係するような他の病気が認められない場合に診断されます。それ以外に、膠原病に伴い肺高血圧が発症する場合、先天性の心臓の病気に伴い肺高血圧が発症する場合など、いろいろな病気が同時にある場合もあります。 しかし、いずれの場合も発症原因は解明されていないため、「難病」に指定されています。


このように病気の原因はわかっているのですが、この病気の問題として原因が一つではないことが挙げられ、そしてこの病気は様々な合併症も引き起こします。共通点は、「肺動脈性肺高血圧症」は、肺動脈の血液の流れが障害される病気ですので、必ず心臓(右心室;肺へ向かう血液を送り出す心臓の部屋)に負担がかかります。右心室の壁が厚くなり、右心室の大きさが拡大し、右心室の機能が低下するため十分な血液が送り出せなくなります。さらに右心室が拡大するため、左心室の大きさが相対的に小さくなります。「肺動脈性肺高血圧症」に必ず伴う合併症は、心不全(右心不全)です。但し、潜在的な右心不全(症状がまだでない)という段階から、明らかに症状が出現する場合まで、程度は様々です。この心臓の機能低下を回復させる、ないしは進行を遅らせる治療法が「肺血管拡張療法」になります。日常生活では、専門医とよく相談をして、治療を継続する必要があります。
「肺動脈性肺高血圧症」に合併する病気としては、膠原病、先天性心疾患、肝臓疾患(門脈圧亢進症)などが挙げられます。また、「肺動脈性肺高血圧症」と同じような症状が出現する病気として、「呼吸器疾患に伴う肺高血圧症」があります。原因となる呼吸器疾患としては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患、気腫合併肺線維症などです。例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙により呼吸器系の構造が壊れるため、動くと息が苦しくなる病気です。しかし、同時に肺の血管にも変化が出現し、肺の血液の流れが悪くなります。この状態が進行すると、「肺高血圧症」になることがあります。肺高血圧症そのものに対する治療と同時に、合併する病気の治療を日常的に継続する必要があります。


そして、2つ目の問題として病気が正しく診断されずに適切な治療が受けられないことも挙げられます。1) 肺の血圧が高い そうすると 2) 心臓が頑張る その結果として 3) 心臓が疲れて、血液を全身に送れなくなり、酸素が全身に廻らなくなる そうすると自覚症状として4) 少し動いても息苦しく感じる、となります。 しかしすべての肺高血圧症の患者さんが、このような経過をたどるわけではありません。進行が早い方と、進行がゆるやかな方がいます。どのような経過をたどるかの予測がつかないのが現状です。


現在、肺高血圧症の研究の進歩とともに肺高血圧症と早期に診断される患者が増え、多くの患者が早期に治療を開始できるようになりつつあり、治療方法(治療薬)も目覚ましく進歩していますが、さらに、より多くの患者さんを早期に発見し、合併症や患者さんによっての進行具合を診断しながらの早期に治療へとつなげられるようなシステムを構築することが重要であり、このことが患者さんの生存率の改善に寄与していくのではないかと思います。


今後のMR活動のお役にたちましたでしょうか。
また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。

作成 森

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