リアルワールドデータ重視の時代へ 日本薬剤疫学会 「観察」と「介入」、評価逆転も

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は リアルワールドデータ重視の時代へ 日本薬剤疫学会 「観察」と「介入」、評価逆転も の記事と、リアルワールドデータ についてお話ししたいと思います。

 

「医療リアルワールドデータ時代における疫学」をテーマに、18~20日に京都市で開かれた日本薬剤疫学会学術総会で、会長の川上浩司京都大大学院教授は、エビデンスレベルの評価が変化する傾向にあると指摘し、既存の診療情報を活用する観察研究が介入研究に劣るとされた考え方は「もはや適用されない」と強調した。
論文化されたデータだけを統合して解析するメタアナリシスは、効果が認められなかった研究結果を反映しないため、薬剤の効果の過大評価になるという。
川上氏は、臨床試験は被験者数や対象患者の範囲が限定されていることに加え、GCP外で実施される市販後臨床試験では品質の担保が困難だとも指摘した。

●1軍と2軍、入れ替え?
観察研究は従来、症例報告など1病院だけの特性や実態を表す程度と見られていたが、
数千万~数億規模のデータが集積されることで、「いままで1軍だった介入研究と2軍だった観察研究の入れ替わりが必要ではないかという議論まで始まっている」と述べた。
薬剤疫学で使用できる資料には、各学会による疾患登録(レジストリ)系と、レセプト情報やDPCデータベースなどのリアルワールドデータ系がある。
川上氏は双方に強みや課題があるとして、「それぞれの特徴を理解し、今後の薬剤疫学研究を実施していくべきだ」と訴えた。

●企業も学ぶ必要性 厚労省・森審議官
新薬開発のインフラ整備について講演した厚生労働省の森和彦大臣官房審議官は、臨床研究の変革のうねりを世界のアカデミアが認識しつつある現状を説明。
米FDA(食品医薬品局)がそうした流れに薬事規制を対応させていくため、製薬企業も新たな臨床試験の方法論を学ぶ必要があると強調した。

2016年11月22日 日刊薬業 から


最近、製薬業界では、「リアルワールドデータ」(あるいは「リアルワールドエビデンス」)といった言葉を聞くようになってきました。これは一体何のことなのか?
今日はこの「リアルワールドデータ」について確認してみたいと思います。


【リアルワールドデータ(RWD)】
 リアルワールドデータ(以下RWDと略称)とは、簡単に言ってしまうと、臨床現場のデータのことです。具体的には、レセプトデータ、DPCデータ、健診データ、各製薬企業が持つPMSや特別調査などのデータ、民間医療情報データベースなどが含まれます。
そして、リアルワールドエビデンス(RWE)は、RWDから導かれたエビデンスのことを指します。

では、記事にもありますが、今なぜ実臨床下のデータであるRWDが重視されるようになってきているのでしょうか。


新薬開発のための臨床試験(治験)は、そもそもその前提として条件のそろった限られた患者集団を対象としています。ノイズを排除し、従来の薬との有意差を出すことが目的だからです。ところが、当然ながら、薬が実際に発売された後、実臨床においてはさまざまな背景を持つ患者さんにその薬が投与されることになります。
そのため、処方の実態や治療効果、副作用などを、実臨床で得られるデータからももっと検証していこうということになり、RWSやRWEという言葉をよく耳にするようになってきているのです。


製薬大手、バイエル薬品の担当者はRWS/RWEの重要性をこう指摘しています。
「開発試験の次のステップとして、さまざまなデザインの実臨床研究を行い、安全性や有効性の一貫性を確認する。こうした作業が、製薬企業にとって重要性を増している。処方に当たって気をつけなければならないポピュレーション(患者集団)を実臨床で明らかにすることで、我々が販売する薬を安心して使ってもらえるようになる」。


こうしたRWS/RWEの重要性を、現場の臨床医はどのように考えているのでしょうか。
バイエル薬品は今年6月、第1回「シリーズ リアルワールド(実臨床)エビデンスと医療」を東京都内で開催し、富山県済生会富山病院 院長・富山大学 名誉教授の井上博先生が、「改めてリアルワールドエビデンスの重要性を理解しませんか?」と題して講演を行いました。


井上先生は、RWDの重要性を示す例として、「抗凝固薬」に関する実臨床のデータを挙げました。抗凝固薬は血を固まりにくくし、心房細動などを要因として起きる脳梗塞の発症を抑えますが、血栓の形成を抑える一方、血を固まりにくくする結果、致死的な出血のリスクを併せ持っています。求められるのは、両者のバランスが取れた薬ということになります。


従来、抗凝固薬のスタンダードとされてきたのは「ワルファリン」。長い歴史を持つ薬ですが、これに対し、「ダビガトラン」「リバーロキサバン」「アピキサバン」といった新しい抗凝固薬が近年続々と登場しました。
こうした新薬に関し、臨床試験の段階で懸念された副作用の1つに消化管出血があり、いくつかの新薬の臨床試験では、消化管出血の頻度がワルファリンに比べて増えるとの報告がなされていました。


ところが、新薬発売後に各国で検証された実臨床のデータからは、消化管出血という副作用に関して「新薬がワルファリンに劣るとの結果は得られていない」(井上先生)。
例えばフランスや米国の医療保険のデータからは、この副作用に関する新薬の非劣性が示されているのです。


このように、臨床試験と実臨床に横たわる「間隙を埋めるために、レジストリー(実臨床での観察研究)が重要になる」(井上先生)。


新しい抗凝固薬の臨床試験では見えていなかった副作用の「人種間差」も、RWS/RWEは明らかにしました。例えば、「J-RHYTHM registry」と呼ぶ日本で実施されたレジストリーからは、日本人に対して欧米と同等のコントロール濃度でワルファリンを使うと、頭蓋内出血の頻度が高まることが明らかになりました。


ただし、実臨床データはエビデンスレベルが必ずしも高いとは言えず、「特徴を理解した上で(臨床試験の結果を)補うことが大切」だと井上先生は指摘されています。
例えば、日本で実施されたあるレジストリーでは、ワルファリンを処方した患者とそうでない患者で、血栓症や重大出血の発症率に有意差がないように見えるデータが得られたのですが、このデータには、処方量が適切だったかどうかなどの条件が反映されておらず、
ワルファリンの効果を誤って評価しかねない側面があったというのです。


このように、実臨床データには限界や問題点もあり、それを理解した上で活用すべきだと井上氏はお話しされています。具体的には、単一施設での短い追跡期間のデータが多いこと、対照データが存在しないこと、などがその問題点として挙げられます。
複数のRWSを使うことなどが、こうした課題を補う工夫のひとつと言われています。


現在、抗凝固薬に関しては、アンメットメディカルニーズの解決を目指したさまざまな臨「脳梗塞急性期における至適開始時期」「アブレーション時の至適投与法」などアンメットメディカルニーズの解決を目指したさまざまな臨床研究が進行中ですが、こうした取り組みにより、新しい抗凝固薬の位置づけが一層明確になると期待されると井上氏はお話しされました。


そういえば、最近の求人ポジションの中にも、「リアルワールドデータ」を扱ったことのある人とか、「DB研究推進担当者」などの募集が散見されます。
業界のこのような動きに対応した人材採用ですね。


お役にたちましたでしょうか。
また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。


作成 藤川

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