エーザイ 乳癌治療薬「ハラヴェン」英国NICEから推奨 医療技術評価HTA

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は 【エーザイ】乳癌治療薬「ハラヴェン」、英国NICEから推奨 の記事と、医療技術評価:HTA についてお話ししたいと思います。


エーザイは、グローバルで販売中の抗癌剤「ハラヴェン」(一般名:エリブリンメシル酸塩)が、薬剤のリスクベネフィット評価から保険償還の判断を行う英国国立医療技術評価機構(NICE)から公表された最終評価報告で、進行性乳癌治療薬として推奨された。乳癌治療薬としてNICEに推奨された薬剤は初めて。ハラヴェンの推奨された適応での使用に関して、英国国民保健サービスから償還を受けることが可能となり、患者へのアクセスが広がりそうだ。 今回、推奨された適応は、アントラサイクリン系・タキサン系抗癌剤、カペシタビンを含む2種の癌化学療法による前治療歴のある局所進行性・転移性乳癌。
NICEは、ハラヴェンが全生存期間(OS)を3カ月以上延長する延命効果を評価し、局所進行性・転移性乳癌のサードライン治療の段階で予測される余命を考慮した結果、
ハラヴェンのOS延長効果のベネフィットは重要で価値が高いと判断した。

2016年11月10 薬事日報 から


「オプジーボ」の薬価問題が連日のように新聞紙上を騒がせています。これは極端な例ですが、抗体医薬品や分子標的薬など高薬価な薬剤がますます増えていく今後、どのようにして国民皆保険を維持しつつ保険償還を進めていくかということは、もはや避けて通れない課題です。そんな中で最近では、「医療技術評価」という言葉をよく聞くようになりました。そこで今回はこの「医療技術評価」について確認してみたいと思います。

【医療技術評価(HTA)】
記事の中に出てくる「NICE」については後でお話ししますが、このNICEは正式名称を「国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence)」と言います。「医療技術評価」という言葉は最近よく耳にされるかも知れませんが、これは、「HTA(Health Technology Association)」とも言われ、EBMに基づく医療を推進するため、その医療技術を行った場合の効果や影響を、医学的、経済的、社会的な側面から評価することを意味しています。
ここ最近は、薬剤経済学、つまり単に費用対効果が悪い医薬品の使用を制限したり、薬価を下げたりして薬剤費抑制のための手法、というどちらかというとネガティブな脈絡の中で語られる傾向が顕著ですが、本来は、診療ガイドラインなども含む広い意味で使われる言葉です。

世界各国にはこのHTAを実施する機関が存在するのですが、英国のNICEはその代表格とも言うべき機関です。英国内の各地域ごとでばらつきがあった医療サービスの質や内容を均一化する目的で1999年に設立されました。

NICEの発行するガイドラインは4つの領域に及び、「国民保健サービス(NHS)が用いる医療技術」(新薬や普及薬の使用・治療法・手順)、「臨床適用」(疾患および徴候別ごとの手技・治療法の適応)、「健康づくりと防疫の公的機関向けガイドライン」があります。ガイドラインは様々なケースを想定して効果性と費用対効果が評価されています。

つまり、高額な抗がん剤が費用に見合う効果がないと判断された薬剤については、NHSの償還対象として推奨しないガイドラインを出すというわけです。
ガイダンスに法的拘束力はありませんが、予算管理が厳しい英国では、NICEが「推奨しない」と決めた医薬品はほとんど処方されず。患者アクセスが制限され、ほぼ使えなくなるのです。

では、世界のHTA機関はどのような手法で医療技術や医薬品の費用対効果を評価しているのでしょうか。
最もポピュラーなのが、QALY(Quality Adjusted Life Year:質調整生存率)を用いた評価です。これは、想定できる完全な健康状態を指す「1」から、死亡を指す「0」までの範囲で、生活の質を数値化した「効用値」に生存年数をかけて算出したものです。
仮に同じ寿命であっても健康な状態で生きる期間が長いほど、QALYは高くなります。
医薬品の費用対効果の評価には、標準的な治療に比べて、1QALY(完全な健康状態の1年間)を追加で得るためにどれだけのコストがかかるかを見る「増分費用対効果比(ICER:Incremental Cost-Effectiveness Ratio)」を尺度にしています。
NICEでは、このICERが2~3万ポンド(250~375万円)を超える医薬品は原則としてガイダンスで使用を推奨していません。

今回は、エーザイの抗がん剤「ハラヴェン」が乳がん治療薬として、NICEに推奨されたというニュースです。これで英国内の乳がん患者さんは同薬剤へのアクセスが容易になるわけですから、患者さんにとっても企業側にとっても大変プラスということになるわけです。
日本にはNICEのようなHTAを実施する機関はありませんが、限られた医療財政の中で、高薬価の薬剤を使う仕組みを維持していくために、日本国内でも今後ますますこのHTAを巡る議論が加速化していくことになりそうです。


お役にたちましたでしょうか。
また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。


作成 藤川

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