小野 通期見込み1260億円、期初計画据え置き とがん患者の全身消耗状態について

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は 小野・17年3月期第2四半期 オプジーボは売上533億円 通期見込み1260億円、期初計画据え置き の記事と がん患者の全身消耗状態 についてお話したいと思います。


小野薬品は11月7日、2017年3月期第2四半期(4~9月)決算を発表し、がん免疫療法薬で抗PD-1抗体オプジーボの売上は533億円(前年同期比で18倍)、通期見込みは1260億円と期初計画を据え置いた。医療保険財政との観点からオプジーボの薬価臨時引き下げが政府内で検討されているが、下げ幅を含め不透明さが増しているため、計画を据え置いた。ただ、オプジーボは日本で、13癌種がフェーズ3以降(うち承認取得は3癌種)にあり、作用機序の異なるがん免疫療法薬との併用療法の開発も後期段階に複数あるため、数量ベースでの成長は今後も見込めるとしている。

相良暁社長は同日に開いた決算会見で、「(オプジーボを含めて)中期的には数量ベースではしっかり成長してくれると思っている。ただ、オプジーボは、薬価問題が現時点で不透明なところがあり、金額ベースの話は控えたい」と話した。オプジーボは少なくとも25%の薬価の臨時的な引き下げが指摘されているが、「仮定にもとづくコメントは控えたい」と繰り返し語った。

■オプジーボ新規患者数 3月まで月1000人以上 最近は月800~900人

オプジーボの売上は16年4~6月が252億円、7~9月が281億円だった。15年12月に適応追加した非小細胞肺がん(2次以降)が急成長の要因。ただ、相良社長によると、オプジーボの新規処方患者数は、多くの待機患者がいたこともあって16年3月頃まで月1000人を超える状況だったが、直近3か月は月800~900人程度に減っているという。

同社はこれまでに、通期見込み1260億円のベースとなる新規患者数は1万5000人と説明しており、これは月換算では平均1250人となる。処方継続率が不明なことに留意が必要だが、直近の新規処方患者数からみると、オプジーボは期初売上計画から実際は下振れする可能性もありそうだ。相良社長は、高額薬剤ということが医師の間に浸透したため、「処方に少し抑制がかかっている気がする」との認識も示した。

なお、相良社長は、14年9月の販売開始から16年9月末までのオプジーボの処方患者総数は推定1万816人で、このうち非小細胞肺がん患者が9032人と説明した。

■世界初のがん悪液質の治療薬ONO-7643 国内P3入り

粟田浩開発本部長は会見で、オプジーボの主な開発状況を説明した。日本市場における単剤療法では、現在申請中なのが▽ホジキンリンパ腫▽頭頸部がん――、P3には▽非小細胞肺がん(1次)▽腎細胞がん(1次)▽尿路上皮がん▽胃がん▽胃食道接合部がん及び食道がん▽小細胞肺がん▽肝細胞がん▽食道がん▽膠芽腫▽悪性胸膜中皮腫――がある。

このうちホジキンリンパ腫は厚労省の薬食審部会を通過していることから、「まもなく承認される」との見通しを示し、「抗PD-1関係の医薬品では初の血液がん適応になる」と説明した。頭頸部がんの適応追加については、「順調にいけば来春には承認されるのではないか」と期待感を示した。

オプジーボとがん免疫療法薬ヤーボイとの併用療法は、日本市場で7癌種が開発後期にあり、P3に▽腎細胞がん▽非小細胞肺がん▽小細胞肺がん▽頭頸部がん▽胃がん▽悪性胸膜中皮腫――、P2として悪性黒色腫の開発を進めていると説明した。

また、粟田本部長は、がんの進行に伴い食欲不振や筋肉量の低下を特徴とする全身消耗状態(がん悪液質)の患者に対する治療薬「ONO-7643」(開発コード)が国内P3入りしたことも紹介した。低分子のグレリン様作用薬で、開発に成功すれば、がん悪液質を適応とする世界初の薬剤となる。粟田本部長は「期待が大きく、いろいろな癌腫に応用がきくのではないか」と話した。

2016年11月8日 ミクスOnline から

 

記事中にもありますように、がんの進行に伴い食欲不振や筋肉量の低下が進行がん患者の80%に現れてくると言われています。そこで、がん治療だけではなく、がん患者の「全身消耗状態(がん悪液質)」についても耳学問としてご紹介いたします。


ガン悪液質(癌性悪液質)」(cancer cachexia)
患者さんの体力・精神を消耗させる「悪液質(あくえきしつ)」とは?

「悪液質(あくえきしつ)」とは、ガンによる機能的障害が進行した病態を指します。ガン細胞からの分泌物質によって、慢性炎症、代謝異常、免疫異常、内分泌異常、脳神経異常などが生じます。これらの正常な生命活動をする機能が傷害されることで、体は衰弱し精神は消耗します。ガンが進行悪化して患者さんのQOL(生活の質)を低下させる体力的に非常に厳しい状態が「悪液質」です。
ガン患者さんが痩せて元気がなくなってくるのは、悪液質に向かっていることを示します。体重が減少するのは、《ガンの進行や抗ガン剤などのガン治療による慢性炎症》と《ガンによる栄養奪取》が考えられています。
慢性炎症は体内のどこかで常にボヤ程度の火事(癌研有明病院 比企先生談)が起こっている状態です。カゼのような軽度の病気でも、ノドやハナの炎症、発熱が続けば体力が消耗します。ガンの慢性炎症は内臓や組織でも発生する可能性があり、併せて食欲が不振になれば、ますます体力は低下します。ちょっとしたことで疲れやすくなり、気力も落ちます。
ガンによる栄養奪取は、ガンが筋肉を破壊しタン白質と糖を消費し自らのエネルギー源を補給する現象です。正常な組織のタン白質から窒素を代謝するため、患者さんはやせ衰え栄養欠損状態に陥ります。
患者さんの筋肉が減ることは、体力低下、QOL低下をもたらします。さらに抗ガン剤を分解解毒するための酵素の働きが弱まるので、副作用がひどくなることもあります。ガン患者さんの体重減少は、生存期間にも影響するという研究報告もあります。
悪液質状態を防ぐには、ガンの治療だけでなく、慢性炎症を抑制すること、筋肉減少を最小限にとどめる、などの措置が必要です。そのためには栄養素の補給(たとえば分子栄養療法)による病態の改善を、早い段階から行うことを専門医も指摘しています。

がん悪液質の治療
がん患者のQOLは、その20%が栄養摂取状況で、その30%が体重減少の有無によって規定されるという報告があります。また、食欲低下の1つの症状である早期満腹感を認める症例は30%死亡率が増加するという報告もあり食欲不振悪液質症候群に対する治療は重要であります。治療法としては食事栄養療法、薬物療法に分けられます。

① 食事栄養療法
a カウンセリング
がん患者個人への食事等のカウンセリングや介入は栄養状態の悪化を抑制し、QOLを改善させることが報告されています。

b エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid:EPA)
EPAは魚油に含まれるn-3系脂肪酸の1つであり、IL-6など炎症性サイトカインの産生を抑制することが知られている。EPAをがん患者に投与することで、LBMの増加、体重
の増加、QOLの改善が報告されています。EPAの効果に関しては、多数のrandomized control trial(RCT)があるが、メタアナリシスの結果では、現時点において悪液質に対
してEPAが有効であるという証明はされておらず、今後の検討課題であります。

※LBM(lean body mass)とは脂肪以外の組織の重さのことで、筋肉や骨、内臓などの総量のことをいいます。 日本語では除脂肪体重と訳されています。

c 分岐鎖アミノ酸(branched chain amino acid)
分岐鎖アミノ酸の一種である、アルギニンやグルタミン、およびロイシンの代謝物であるβ-methyl-β-hydroxyl butyrate calcium(HMB)が悪液質状態においてLBMを増加するという報告がありますが、一方で否定的な報告もあり、評価は定まっていません。

② 薬物療法
a 食欲刺激剤
酢酸メゲステロール(日本未承認)およびメドロキシプロゲステロン(共にプロゲステロン製剤)に食欲増進効果があることは明らかにされており、実際に汎用されています。一方で、デキサメタゾンやプレドニゾロンも同様の効果がありますが、副作用(ミオパチー、Cushing様症状、消化性潰瘍等)の頻度がプロゲステロン製剤に比して多いためにステロイド製剤が選択されることは少ないそうです。プロゲステロン製剤の副作用は比較的軽微でありますが、血栓症のリスクが上昇することはよく知られています。プロゲステロン製剤が悪液質に対して予防効果をもつかどうかは、今後の検討課題であります。

b 抗サイトカイン抗体
TNF-αに対する抗体である、インフリキシマブやエタネルセプトを使用して悪液質の症状が緩和できるのではないかと期待されています。現時点では、少数例の報告はありますが、悪液質に対する有効性は明らかになっておりません。IL6に対する抗体であるトシリズマブに関しても今後が期待されています。

c サイトカイン抑制薬
【サリドマイド】
TNF-αの産生を抑えるサリドマイドは、HIV陽性患者や結核患者に対して体重増加作用をもつことが知られており、悪液質患者に対しても効果が期待されています。

d その他
セロトニン拮抗薬や強い食欲刺激作用をもつグレリンの使用により、食欲不振の改善が報告されています。また、合成大麻であるドロナビノールは、主としてHIV患者の食欲
増進剤として使われていますが、がん患者の食欲増進剤として使用されることもあります。しかし現時点ではその有効性は証明されていません。


がん免疫療法薬(抗PD-1抗体)の開発により、現在のがん治療は飛躍的に効果が上がっておりますが、記事中にもありますように進行がん患者の80%に現れてくると言われている「全身消耗状態」(がん悪液質:がんの進行に伴い食欲不振や筋肉量の低下)への対応も、がん治療そのものだけではなく並行して改善させていくことが、がん患者にとって今後の重要な課題になってくると思います。

今後のMR活動のお役にたちましたでしょうか。
また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。


作成 森

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