EAファーマ キッセイ 潰瘍性大腸炎治療薬を国内申請

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は EAファーマ、キッセイ 潰瘍性大腸炎治療薬AJG511を国内申請 初の泡状の注腸製剤 の記事と、潰瘍性大腸炎 についてお話ししたいと思います。


エーザイの消化器事業子会社のEAファーマとキッセイ薬品はこのほど、共同開発していた潰瘍性大腸炎治療薬AJG511(開発コード)について、EAファーマが日本で承認申請したと発表した。申請日は10月28日。承認取得後は同一製品名で共同販売する。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に潰瘍などができる炎症性腸疾患のひとつで、腹痛、下痢、下血などにより著しいQOLの低下を余儀なくされる。日本では難病に指定され、国内に17万人以上の患者がいるとされる。AJG511は、EAファーマがドイツのドクター ファルク ファーマ社から導入したもの。ブデソニドを有効成分とし、国内初の泡状の注腸製剤(=注腸フォーム製剤)となる。局所作用型ステロイド薬であるため、ステロイドに起因する全身性の副作用の低減が期待できる。さらに泡状であるため、直腸及びS状結腸に到達した薬剤が局所に留まり、投与後に薬剤が漏れにくいとの特徴もあるという。
両社は「本剤がより簡便で安全な局所治療薬のニーズに応えることができ、治療上の新たな選択肢になることを期待している」とコメントしている。
申請にあたり実施した国内フェーズ3試験は、活動期潰瘍性大腸炎患者を対象にAJG511のプラセボに対する優越性と安全性を検証したプラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験。目標症例数は120例。主な選択基準は16歳以上の活動期の潰瘍性大腸炎患者とした。

2016年11月7日 ミクスOnline から


がんを別にすれば、薬物療法の治療満足度が非常に高い領域となった消化器系分野ですが、その中でもまだ医療ニーズが満たされているとは言えない病気があり、「潰瘍性大腸炎」はまさにその代表格です。エーザイと味の素が合同で作った消化器分野に特化した製薬企業「EAファーマ」が今回、潰瘍性大腸炎治療薬をキッセイと共同開発し国内申請をしたとのニュース。今日はこの「潰瘍性大腸炎」について確認してみたいと思います。


【潰瘍性大腸炎】
潰瘍性大腸炎は、記事の中にもあるように、炎症性疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)と呼ばれる大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす疾患の一種です。主な炎症性腸疾患には、潰瘍性大腸炎とクローン病があります。多くは若年発症で、長期間に複雑な経過をたどり、特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。

わが国の潰瘍性大腸炎の患者数は166,060人(平成25年度末の医療受給者証および登録者証交付件数の合計)、人口10万人あたり100人程度であり、米国の半分以下です。

発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性では25~29歳にみられますが、若年者から高齢者まで発症します。男女比は1:1で性別に差はありません。喫煙をする人はしない人と比べて発病しにくいと言われています。

原因は明らかになっていませんが、免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常が原因のひとつと考えられており、いわゆる「自己免疫疾患」の一種と言われています。

潰瘍性大腸炎は家族内での発症も認められており、何らかの遺伝的因子が関与していると考えられています。欧米では患者さんの約20%に炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎あるいはクローン病)の近親者がいると報告されています。近年、世界中の研究者によりこの病気の原因を含めた特異的な遺伝子の探索が続けられていますが、現時点では遺伝に関する明解な回答は得られていません。遺伝的要因と食生活などの環境要因などが複雑に絡み合って発病するものと考えられています。

症状としては、下痢(便が軟らかくなって、回数が増えること)や血便が認められます。痙攣性または持続的な腹痛を伴うこともあります。重症になると、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こります。また、腸管以外の合併症として、皮膚の症状、関節や眼の症状が出現することもあります。

潰瘍性大腸炎の診断は、症状の経過と病歴などを聴取することから始まります。最初に、血性下痢を引き起こす感染症と区別することが必要です。下痢の原因となる細菌や他の感染症を検査し、鑑別診断が行われます。その後、患者さんは一般的にX線や内視鏡による大腸検査を受けます。この検査で炎症や潰瘍がどのような形態で、大腸のどの範囲まで及んでいるかを調べます。さらに、大腸粘膜の一部を採取する生検を行うことで、病理診断を行います。潰瘍性大腸炎は、このようにして類似した症状を呈する他の大腸疾患と鑑別され、確定診断されます。

原則的には薬による内科的治療が行われますが、重症の場合や薬物療法が効かない場合には手術が必要となります。
内科的治療には現在、完治する治療方法はないものの、腸の炎症を抑える有効な薬物治療は存在します。治療の目的は大腸粘膜の異常な炎症を抑え、症状をコントロールすることです。
主な薬剤は下記の通りです。


〈5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)製薬〉
5-ASA製薬には従来からのサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)と、その副作用を軽減するために開発された改良新薬のメサラジン(ペンタサやアサコール)があります。経口や直腸から投与され、持続する炎症を抑えます。炎症を抑えることで、下痢、下血、腹痛などの症状は著しく減少します。5-ASA製薬は軽症から中等症の潰瘍性大腸炎に有効で、再燃予防にも効果があります。


〈副腎皮質ステロイド薬〉
 代表的な薬剤としてプレドニゾロン(プレドニン)があります。経口や直腸からあるいは経静脈的に投与されます。この薬剤は中等症から重症の患者さんに用いられ、強力に炎症を抑えますが、再燃を予防する効果は認められていません。


〈血球成分除去療法〉
 薬物療法ではありませんが、血液中から異常に活性化した白血球を取り除く治療法で、LCAP(白血球除去療法:セルソーバ)、GCAP(顆粒球除去療法:アダカラム)があります。副腎皮質ステロイド薬で効果が得られない患者さんの活動期の治療に用いられます。


〈免疫調節薬または抑制薬〉
アザチオプリン(イムラン、アザニン)や6-メルカプトプリン(ロイケリン)(未承認)はステロイド薬を中止すると悪化してしまう患者さんに有効です。また、シクロスポリン(サンディミュン)(未承認)やタクロリムス(プログラフ)はステロイド薬が無効の患者さんに用いられます。


〈抗TNFα受容体拮抗薬〉
インフリキシマブ(レミケード)やアダリムマブ(ヒュミラ)といった注射薬が使用されます。効果が認められた場合は、前者は8週ごとの点滴投与、後者では、2週ごとの皮下投与が行われます。後者では自己注射も可能です。


多くの場合、内科治療で症状が改善しますが、重症例や副作用で内科治療が不可能な場合には外科手術(大腸全摘術)が行われます。

第一次政権を「お腹が痛くて」退陣せざるを得なかった安倍晋三首相もこの病気の患者さんです。2007年当時の薬物治療では症状が十分コントロールできなかったのが、その後国内で発売された新薬を服用することにより症状が改善することが出来、その結果、2012年第二次政権に返り咲くことが出来たことは大変有名です。

 

お役にたちましたでしょうか。
また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。


作成 藤川

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