エーザイ アルツハイマー病薬フェーズ3開始

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は エーザイ アルツハイマー病薬フェーズ3開始 米で早期患者対象に 日欧でも実施検討 の記事紹介と 認知機能評価と認知症診断 についてお話したいと思います。


エーザイは10月31日、次世代のアルツハイマー病(AD)薬として開発している「E2609」について、早期AD患者を対象にしたフェーズ3(「MISSION AD」)の症例登録を米国で開始したと発表した。日本、欧州では当局と相談のうえ、グローバル試験を検討する。

同剤は、ADとの関与が指摘されているタンパク質Aβについて、BACEという酵素を阻害することで脳内での凝集を減少させ、病態の進行を抑制する疾患修飾作用が期待されているBACE阻害薬。エーザイが創製し、米バイオジェンと共同開発している低分子経口剤。エーザイによると、日本では2020年度中に試験の主要評価項目に対する結果などトップラインデータを示したいとしている。

「MISSION AD」の最初の試験となる「MISSION AD1」(301試験)は、バイオマーカーで早期ADと判定した1330人を対象に有効性と安全性を検証する。多施設共同、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較で行うもので、投与期間は24カ月。主要評価項目は「臨床的認知症重症度判定尺度」(CDR-SB)。

両社は、「E2609」と抗Aβプロトフィル抗体「BAN2401」の共同開発を進め、グローバルでの承認取得を目指している。承認取得後は、日米欧など主要な地域で共同販促を行う。エーザイはそのほか、バイオジェンが開発しているADに対する抗体医薬の共同開発、共同販促にかかるオプション権を保有している。

2016年11月2日 ミクスOnline から

 

MRの皆さんは認知症については勉強されてご存知の方も多いとと思いますが、認知機能の評価と認知症の診断についてはご存じないこともあると思いますので耳学問としてご紹介いたします。


【認知機能の評価法と認知症の診断】

(1) 認知機能障害を疑う手がかり
特に高齢糖尿病患者では記憶、遂行機能(実行機能)、情報処理能力などの認知機能の領域が障害されやすく、その中でも遂行機能は目的をもった一連の行動を自立して有効に成し遂げる機能で、遂行機能障害があると段取りがうまく行かず、セルフケアが困難になります。糖尿病患者における遂行機能障害は高血糖、手段的ADL(買い物、食事の準備、服薬管理、金銭管理など)の障害、およびセルフケアの障害と関連します。
記憶障害、手段的ADLの障害などは認知機能障害を疑う手がかりとなります。高齢糖尿病患者の認知機能障害は手段的ADL低下と関連し、一般の高齢者では買い物や金銭管理の障害は最も軽度認知障害(MCI)を予測するという報告があるそうです。
特に以下のような状況では認知機能障害の頻度が高いとのことです。
・75歳以上・ HbA1c 8.5%以上・ 重症低血糖の既往・ 脳卒中の既往

(2) 認知機能検査(スクリーニング検査)
認知機能障害が疑われる場合には、まず認知機能検査を行うことが推奨されています。認知症検査(スクリーニング検査)では、検査の目的、検査の所要時間、実施者の職種などの施設の状況に応じて検査を選択していきます。
認知機能検査(スクリーニング検査)には、以下のようなものがあります。

<認知機能検査(スクリーニング検査)>

1.HDS-R(Hasegawa's Dementia Scale-Revised:改訂長谷川式認知症スケール)(所要時間:6-10分)
HDS-Rは年齢、見当識、3単語の即時記銘と遅延再生、計算、数字の逆唱、物品記銘、言語流暢性の9項目からなる30点満点の認知機能検査です。HDS-Rは20点以下が認知症疑いで感度93%、特異度86%と報告されています。

2.Mini-Cog(所要時間:2分以内)
Mini-Cogは3語の即時再生と遅延再生と時計描画を組み合わせたスクリーニング検査です。Mini-Cogは2点以下が認知症疑いで感度76-99%、特異度83-93%であり、MMSEと同様の妥当性を有する。

3.MoCA(Montreal Cognitive Assessment) (所要時間:10分)
MoCAまたはMoCA-J(Japanese version of MoCA)は視空間・遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識からなります。MCIをスクリーニングする検査です。MoCAは25点以下がMCIであり、感度80-100%、特異度50-87%であります。MoCAはMMSEよりも糖尿病患者の認知機能障害を見出すことができます。

4.DASC-21(Dementia Assessment Sheet for Community-based Integrated Care System-21 items: 地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート)(所要時間:5-10分)
DASC-21は認知機能障害と生活機能障害(社会生活の障害)に関連する行動の変化を評価する尺度で、介護職員やコメディカルでも施行できる21の質問からできています。また、DASC-21 は臨床的認知症尺度(Clinical Dementia Rating, CDR)と相関があり、その妥当性が報告されています。

5.MMSE (Mini-Mental State Examination:ミニメンタルステート検査)(6-10分)
MMSEは時間の見当識、場所の見当識、3単語の即時再生と遅延再生、計算、物品呼称、文章復唱、3段階の口頭命令、書字命令、文章書字、図形模写の計11項目から構成される30点満点の認知機能検査です。MMSEは23点以下が認知症疑いとなります(感度81%、特異度89%)。27点以下は軽度認知障害(MCI)が疑われます(感度45-60%、特異度65-90%)。

(3) 認知症の診断
認知症の診断は米国精神医学会による診断マニュアルであるDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders-5(DSM-5)、または国際疾病分類第10版(ICD-10)、またはNational Institute on Aging-Alzheimerʼs Association(NIA-AA)の診断基準に基づいて行います。認知機能障害だけでなく社会生活の障害を確認することが大切であり、生活機能の低下があれば認知症を疑い、概ね自立している場合は、MCIを考えます。
認知機能障害が疑われる場合は、生活機能(手段的ADLなど)の障害について問診を行います。

<DSM-5による認知症の診断基準(2013年)について>

1.1つ以上の認知領域(複雑性注意、遂行機能、学習および記憶、言語、知覚-運動、社会的認知)において、以前の行為水準から有意な認知の低下があるという証拠が以下に基づいている:
(1)本人、本人をよく知る情報提供者、または臨床家による、有意な認知機能の低下があったという概念、および
(2)標準化された神経心理学的検査によって、それがなければ他の定量化された臨床的評価によって記録された、実質的な認知行為の障害

2.毎日の活動において、認知欠損が自立を阻害する(すなわち、最低限、請求書を支払う、内服薬を管理するなどの、複雑な手段的日常生活動作に援助を必要とする)

3.その認知欠損は、せん妄の状況でのみ起こるものではない

4.その認知欠損は、他の精神疾患によってうまく説明されない(例:うつ病、統合失調症)

(4) 認知症の重症度の判定
詳細な認知症の重症度の判定には臨床認知症尺度(Clinical Dementia Rating, CDR)
などを使用しますが、簡易にMMSE,DASC-21を用いて重症度を判定することもできます。DASC-21では、合計点31点以上と手段的ADL障害、基本的ADL障害、場所の見当識障害などを組み合わせて認知症の重症度を簡単にスクリーニングすることが可能です。

現在は高齢化社会真っ只中ですが、ご存じの通り今後も高齢化が進み、それに伴って益々認知症を疑う方々が増えていくことは予見できます。そのため記事にもあるように新しい治療薬の開発が進んでいくはずです。そこでMRの皆さんはどれだけ認知症が疑われるような患者を見つけ出すことができるかが、今後の課題になってくると思います。そしてご自身の担当施設がどのような【認知機能検査】ができる医療機関であるのか、【認知機能検査】を扱える医療関係者が在籍しているのかを把握しておくも大切になってくると思います。


今後のMR活動のお役にたちましたでしょうか。
また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。

作成 森

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