MSD バイオマーカー確立を戦略的な柱に

こんにちは今日の調子はいかがですか。
今日は MSD 抗PD-1抗体・キイトルーダ バイオマーカー確立を戦略的な柱に の記事と、 バイオマーカー についてお話ししたいと思います。


MSDオンコロジーサイエンスユニットの嶋本隆司統括部長は10月28日、都内で開かれたメディアラウンドテーブルで、抗PD-1抗体・キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)のグローバル戦略の一つに、効果の高い患者特定に向けたバイオマーカーの確立を位置づけ、注力する方針を示した。いわゆる免疫療法では、効果の高い患者を事前に特定することが難しいとの指摘がある中で、同社は非小細胞肺がん(NSCLC)について、PD-L1の発現率50%以上をひとつの指標とする考えだ。
実際、EGFR変異またはALK転座のない非扁平上皮NSCLCのファーストラインとしての有用性を検討した臨床第3相試験「KEYNOTE-024 」では、PD-L1の発現率50%以上に対象を絞った結果、標準治療であるプラチナ製剤併用の化学療法(プラチナダブレット)に対して、有意差を示すことに成功した。
嶋本統括部長は、エビデンスを契機に国内でもバイオマーカーの承認取得、臨床現場への浸透に自信をみせた。その上で、感度と特異度を向上させるためにも、さらなるバイオマーカーの確立に力を入れる考えも示した。

2016年10月31日 ミクスOnline から


今や医療財政面から国民的な議論の真っただ中にある「抗PD-1抗体」ですが、目下最大の課題は「バイオマーカー」を確立させることです。「バイオマーカー」という言葉は近年よく耳にするようになりましたが、具体的には一体どのようなものなのか、そのあたりを今日は確認してみたいと思います。


【バイオマーカー】
薬学において「バイオマーカー」とは、ある疾病の存在や進行度をその濃度に反映し、血液中に測定されるタンパク質等の物質を指す用語である。
さらに一般的にはバイオマーカーは特定の病状や生命体の状態の指標である。
NIH(アメリカ国立衛生研究所)の研究グループは1998年に「(バイオマーカーとは)通常の生物学的過程、病理学的過程、もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として、客観的に測定され評価される特性」と定義づけた。
過去においては、バイオマーカーは主として血圧や心拍数など生理学的指標のことであった。近年になるとバイオマーカーは、前立腺癌の分子バイオマーカーとなる前立腺特異抗原、肝機能測定のための酵素測定などに例えられる、分子バイオマーカーの同義語となってきた。最近では、大腸癌やその他のEGFR(上皮成長因子受容体)関連癌におけるKRAS遺伝子の役割など、腫瘍学におけるバイオマーカーの有用性が注目されている。変異したKRAS遺伝子を発現している患者では、EGFRシグナル伝達経路の形成しているKRASタンパクが、常に「オン」状態である。この過剰活性したEGFRシグナル伝達は、たとえシグナル経路上流がセツキシマブなどのEGFR阻害剤でブロックされていても、シグナルが経路下流に伝達され続け、結果として癌細胞が成長し、増殖し続けることを意味する。腫瘍のKRAS状態(野生型対変異型)を試験して、患者がセツキシマブを用いた療法において効果を期待できるかが判断できる。

つまり、最近よく耳にする「バイオマーカー」とは、ある薬剤が特定の患者さんに有効であるか無効であるか、副作用が出易いか出にくいかの目安となる生物学的な指標のことであり、特にこの記事の中では、分子標的薬などの抗がん剤の投与の際の指標となるマーカー、特に「タンパク質の過剰な発現」や「遺伝子異常」などを指しています。

バイオマーカーの確立により、真に効果のある患者さんを選別してその薬剤を投与することが出来、その結果、有効率を高め副作用を減らすことが出来る。その結果、無駄な投薬を避けることで、無駄な医療費を抑えることが出来るという経済的なメリットもあります。
これが最近よく言われる「個別化医療」というものであり、「バイオマーカー」は個別化医療を実現するために必要不可欠なツールであるというわけです。


上述のKRAS遺伝子の他にも、バイオマーカーは下記の通り多数知られています。

・「HER2の過剰発現」⇒乳がんの分子標的薬「ハーセプチン」のバイオマーカー
・「ALK融合遺伝子陽性」⇒肺がんの分子標的薬「ザーコリ/アレセンサ」のバイオマーカー
・「CCR5陽性」⇒成人T細胞白血病リンパ腫の抗体医薬品「ポテリジオ」のバイオマーカー


高薬価で財政が破たんしてしまうと大騒ぎになっているこの「抗PD-1抗体」も、「バイオマーカー」が確立されることにより、その対象患者数が絞られ、その結果薬剤費が大きく抑えられることになると思います。もちろんお金の話だけではなく、有効性・安全性の観点から重要なことですが、この動きを加速させ成功させることが当該製薬企業の成功への道であり、努めであると考えます。


お役に立ちましたでしょうか。
また、明日のトピックスを楽しみにしていてください。


作成 藤川

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