コラム

【7年で倍増、国内医療用の56%超に】
 中外製薬のがん領域売上高は、08年に初めて1000億円に到達。その後も分子標的薬「アバスチン」(07年発売)が牽引する形で事業全体が拡大。1月に発表された14年通期決算では、前年比9.6%増と好調を持続。新製品の「カドサイラ」や「パージェタ」も寄与した。
 15年は前年比8.2%増の2043億円と予想。外資を含めても、国内のがん事業として初めての2000億円超えだ。08年から7年で倍増することになり、この間の年平均伸長率は10.4%と2桁に乗る。タミフルを除く全医療用医薬品売上高に占める割合も、36.5%から56.6%へと20ポイントも上昇する。最主力のアバスチンは15年で882億円を見込んでおり、国内製品別売上高でも後発医薬品が参入する抗血小板剤「プラビックス」と肩を並べるほどの勢い。

アバスチン以外で当面の成長を支えるのはHER2フランチャイズとなる。13年9月発売のパージェタと14年4月発売のカドサイラに「ハーセプチン」を加えた3製品が、HER2陽性の再発・転移性乳がん治療などでの処方拡大を狙う。パージェタは国際共同試験で無増悪生存期間と全生存期間の有意な延長が認められた。
 これら3製品の15年売上高は、合計で前年比9.0%増の483億円。カドサイラは、14年が19億円の予想に対し40億円を売り上げた。15年は88億円を見込んでいる。乳がんの1次治療を対象にした国際共同試験で、全生存期間で対照薬との非劣勢は示されたものの優越性項目が未達だったことで、ファーストラインの有用性が評価されるかどうかが一つの鍵だ。ピーク時売上高予想は現適応で170億円、パージェタは100億円。
【パイプライン強化で持続的成長へ】
 他社のがん事業を見ると、「イクスタンジ」が1000億円製品に育ったアステラス製薬や、「ベルケイド」が社内トップ製品となった武田薬品工業などが実績を伸ばす。ただ、その主体は海外市場。国内では中外製薬がアストラゼネカや大塚ホールディングスなどを抑え、22%のシェア(中外製薬の定義)を保持している。
 16年以降は注目度の高い抗PD-L1抗体、抗PD-1抗体の承認申請が始まる予定。非小細胞肺がんをはじめ多くのがん腫に適応を広げ、特許切れによりバイオ後続品が参入するアバスチンの次の世代につなげていく。
 中外製薬は1600人のMRのうち、がん領域に約500人を配置しており、2000億円の売上高に対する1人当たり生産性は4億円に達する。営業・マーケティング面ではエリアでの分析力を強化、eディテールとの連動をさらに進めるなどで市場を創造していく。

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